高大連携(2004日程)

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2004年度 神戸大学 高大連携特別講義の日程・講義内容の詳細


平成16年度神戸大学「高大連携特別講義」について

 神戸大学・神戸高校により(1昨年)平成14に理・工・農学部による高大連携特別講義が始まりました。
昨年(平成15年度)も規模を拡大して行われました。 詳細は下記の「日程表」、「高大連携通信」をご覧ください。
 今年度は、高大連携試行から本実施と移り、規模を拡大して、従来から行われてきた自然科学分野に加えて、 人文科学分野、社会科学分野も加わり、定員を60名に増やして全県の高校生が受講できる仕組みに変わります。 期間は夏休みの8月第2週に、場所は神戸大学です。詳細は以下をご覧ください。

※ 自然科学通論を受講して高校の単位認定を希望する場合の「追加講義」の日程は現在未定(2学期)。


平成16年度 神戸大学高大連携 特別講義(確定)       印刷用にどうぞ(PDF


自然科学通論

日時 平成16年8月9日(月)〜12日(木)  1時限:10;00〜11;30 2時限:13;00〜14;30 3時限:15;00〜16;30
場所 神戸大学大学教育研究センター K401号教室

[農学部担当分]

 8月9日(月)1時限
 講義題目: 農薬を考える
 講義担当者: 農学部助教授 土佐幸雄
 講義内容: 農薬は恐ろしいと思っていませんか。無農薬野菜は健康にいいものと無条件に思っていませんか。 ことはそれほど単純ではありません。無農薬野菜は必ずしも安全とは言えません。 また、農薬を使わないと病害虫が大発生し、農作物を壊滅させてしまいます。農作物が壊滅すれば・・・私たちは生きてゆくことができません。 本講では農薬問題をその歴史・目的から説き起こし、食糧問題・環境問題・貿易問題等とからめて再考します。

 8月9日(月)2時限
 講義題目: 抗生物質と耐性菌
 講義担当者: 農学部助教授 河野潤一
 講義内容: 人や動物の細菌感染症の治療には抗生物質が使われ、多くの命を救ってきました。  しかし、一方では抵抗性の細菌すなわち耐性菌の出現が常に脅威 となっています。  この講義では、抗生物質はなぜ効くか、それに対して細菌はどのような手段で対抗しているのかなどについて解説します。

 8月9日(月)3時限
 講義題目: 動物の生体防御の成り立ち
 講義担当者: 農学部教授 北川 浩
 講義内容: 人や動物の体は微生物などから様々な仕組みで守られている。  この生体防 御の成り立ちについて,非特異的生体防御と特異的生体防御(免疫応答や免疫反応)とを関連付けながら,  最新の知見を交えて包括的に概説する。

[海事科学部担当分]

 8月10日(火)1時限
 講義題目: 船を操る仕組み
 講義担当者: 世良 亘
 講義内容: 水面を走る船がどのような原理で動いたり曲がったりしているのかを、力学の基本をもとに考える講義です。

 8月10日(火)2時限
 講義題目: 科学の目で見た身の回りの包装材料
 講義担当者: 蔵岡 孝治
 講義内容: 今、私たちの身の回りにはペットボトルやラップ類などのプラスチック(有機高分子)を用いた包装材料があふれています。  このような包装材料の「内容物を保護する機能」について分子レベルで科学的に考えてみる講義です。

 8月10日(火)3時限
 講義題目: 「力学で考える原子の構造」
 講義担当者: 山内知也助教授
 講義内容: 物質は原子からできています。原子の様々な組み合わせが豊かで不思議なこの世界を形づくっています。  最も簡単な原子は水素原子です。水素原子は正の電荷をもった陽子と負の電荷をもった電子というたった2個の小さな粒子から成り立っています。  この講義では、遠心力と静電力を学んだ後に、そのような力学的な考え方に基づいて原子の構造について考えましょう。

[理学部担当分]  学部としての共通テーマ: 「宇宙、地球(仮題)」

 8月11日(水)1時限
 講義題目: 「第10惑星を探して」
 講義担当者: 向井 正(地球惑星科学科)
 講義内容: 1930年にアメリカのトンボーが、9つ目の惑星、冥王星を見つけてから、10番目の惑星を見つける探索が続いている。  こうした努力の成果として、1992年から、海王星以遠の空間に氷天体が続々と発見され、その数は800を超している。  また、1995年には、太陽以外の星の周りに、惑星が見つかり始め、発見された系外惑星の数は100を超えている。  講義では、こうした惑星科学の最前線を概観する。

 8月11日(水)2時限
 講義題目: 「素粒子の世界を探る」
 講義担当者: 川越 清以(物理学科)
 講義内容: 物質の究極の構造はどうなっているのだろうか?そこでは、どのような力が働いているのだろうか?  素粒子物理学では、そういうも?とも基本的なことを研究しています。また、素粒子の研究で宇宙に関する情報も得られます。  この講義では、素粒子物理の最前線をできるだけやさしく紹介します。

 8月11日(水)3時限
 講義題目: 「地球は丸い、宇宙は?」
 講義担当者: 山田 泰彦(数学科)
 講義内容: 地球は平面ではなくほぼ球形です。球面上では平面と似たような、しかしちょっと変わった幾何学が成り立ちます。  現在では、宇宙も「曲がっている」と考えられています。  この講義では、このような曲がった平面や空間における幾何学とはどんなものか?について、  易しいことも難しいことも含め、いろいろお話ししたいと思います。

[工学部担当分]

 8月12日(木)1時限
 講義題目: 超高層ビルの仕組み
 講義担当者: 長尾直治(建築学科教授)
 講義内容: ニューヨークが摩天楼都市になったのは1920年代(約80年前)です。  地震国・日本では、遅くなりましたが、36年前(1968年)に始めて超高層ビルが完成しました。  その後、高強度の鋼材やコンクリートの開発、地震や基礎・地盤に関する科学的進歩、巨大なタワークレーンの出現、コンピュータの発達などによって、  我国にも、また世界中にも、ますます多くの超高層ビルが建設されています。超高層ビルが成立している仕組みを考えて見ましょう。

 8月12日(木)2時限
 講義題目: 「これからの斜面防災」
 講義担当者: 沖村 孝(都市安全研究センター教授)
 講義内容: 斜面災害の種類と歴史を述べる。  次に崩壊のメカニズムを紹介するとともに、工学的な対策工法を述べる。  最後に、阪神・淡路大震災以降新たに芽生えた減災の概念に基づく斜面防災の考え方を紹介する。

 8月12日(木)3時限
 講義題目: 「ナノって何なの?」
 講義担当者: 林 真至(電気電子工学科教授)
 講義内容: ナノ結晶の性質を通して、最近話題になっているナノサイエンス・ナノテクノロジーについて紹介する。

人文科学通論

期時  平成16年8月10日(火)〜13日(金)
      1時限:10;00〜11;30 2時限:13;00〜14;30 3時限:15;00〜16;30
場所  神戸大学大学教育研究センター K402号教室

[文学部担当分]  学部としての共通テーマ: 現代世界における人間と表現

 8月10日(火)1時限
 授業題目: 「詩と音――文学の世界をたずねる」
 授業担当者: 菱川 英一(英米文学)
 講義概要: 詩的言語の特徴(多重決定性)について、日常言語のそれと比較しつつ、英米詩の実例を引きながら考える。  引く例は、W・B・イェーツ、ガート ルード・スタイン、エミリー・ディキンスンなどで、実際に音を耳にしてもらう予定。

 8月10日(火)2時限
授業題目: 「世界と海、そして空――哲学の世界をたずねる」
 授業担当者: 嘉指 信雄(哲学)
 講義概要: ”哲学の問い”が拓り開く経験の地平と、現代世界におけるその意義について、映像やテキストを題材として考えてみたい。

 8月10日(火)3時限
授業題目: 「表現・発想の日英対照――言語学の世界をたずねる」
授業担当者: 西光 義弘(言語学)
 講義概要: 志賀直哉の『城崎にて』の英訳8種を比較検討し、日本人と英米人の発想と癖と表現の違いを考察する。  英米人の英訳5種と日本人の英訳3種をデータとするので、個人的な癖を超えた英語らしさ・日本語らしさを探求することができる。

 8月11日(火)1時限
授業題目: 「グローバル化と現代社会――社会学の世界をたずねる」
授業担当者: 油井 清光(社会学)
講義概要: 現代の日本社会で進行していることの一つは、文化のグローバル化である。 日本のアニメーションを例にとり、それが、一方で固有の文化的記憶に支えられながら、 他方、いかにグローバルな文脈のなかで成立しているかについて、具体的な例も見ながら考えていく。

[国際文化学部担当分]  学部としての共通テーマ: グローバリゼーションと現代社会−異文化への眼差し

 8月11日(水)2時限
 授業題目: アジアのグローバリゼーションとポピュラーカルチャー
 授業担当者: 岡田浩樹(アジア・太平洋文化論)
 授業内容: 今日、アジアの街角にはJ−POPが流れ、日本のアニメキャラクターがあふれる。  日本では「冬のソナタ」人気。  身の回りのアジアンエスニックなもの…これって異文化理解なのかな?グローバリゼーションって何?を考える講義です。

 8月11日(水)3時限
 授業題目: 「異なる」ってどういうことだろう?
 〜日常生活とグローバリゼーションを考える
 授業担当者: 小笠原博毅(文化規範論)
授業内容: 世界は「異なる」言葉や宗教や生活習慣や人種や国民であふれている。 でもロンドンでも上海でもカサブランカでもナイキの靴は、クールだと思われている。 バグダッドでだって。なるほど、これがグローバリゼーションか。みんなと「同じ」になることね。 じゃあそもそも「異なる」ってどういうことだ?こんなことを一緒に考えます。

 8月12日(木)1時限
 授業題目: 機械にイキイキしゃべらせる〜国際文化学ができること
 授業担当者: 定延利之(言語論)
 授業内容: グローバリゼーションに伴い、いま世界にあるたくさんの言語が、この百年で絶滅すると言われています。  この事態をどうくい止めていけばよいのでしょうか。国際文化学ができることを、音声コミュニケーションの観点から紹介します。

 8月12日(木)2時限
 授業題目: アラブ諸国の現在
 授業担当者: 中村覚(異文化コミュニケーション論)
 授業内容: アラブの国々では、1960年代までアラブ民族主義が盛んであったが、1970年代以降はイスラーム復興が続いている。  現在アラブ諸国は、グローバリゼーションによる経済自由化の波ばかりではなく、相次ぐ戦争の影響を強く受けながら、  政治制度、信仰の形態、欧米諸国との国際関係といった全ての面で、新しい姿を模索している。

[発達科学部担当分]  学部としての共通テーマ: 人間発達と学び

 8月12日(木)3時限
 授業題目: 宗教と学び: 思いやりの精神の発達
授業担当者: 稲場 圭信(    )
授業内容: 宗教に対してどのようなイメージを持っていますか?
 宗教思想は本来的に思いやりの精神を多分に含み、世界的に見て宗教者による弱者への援助活動は長い歴史を持ちます。  外国の事例をともに、宗教と思いやりの精神の発達について考える講義です。

 8月13日(木)1時限
授業題目: おとなの学び・生涯学習
授業担当者: 松岡 広路(成人学習論)
授業内容: 「学習は子どもの仕事」と思っている人はいませんか?
本当の学びは、学校を卒業した後に始まります。日本の学習支援・教育施策の変遷と共に、<おとなの学び・生涯学習>の実際を紹介します。

 8月13日(木)2時限
授業題目: 地域における子ども発達支援
授業担当者: 伊藤 篤(児童発達論)
授業内容: 子どもの発達を守り、援助し、促進させる役割をはたす機関や取り組みが地域の中に数多くある。 そのなかでも、現在問題とされている「子育て支援実践」と「虐待による施設入所」について、 近隣地域の取り組みの実例を交えながら講義する。

 8月13日(木)3時限
授業題目: 子どもの心と臨床教育学
授業担当者: 廣木 克行(児童発達論)
授業内容: 心の発達にもつれを持たされ苦しむ子どもが増えています。 臨床教育学とは子どもの様子を外から観察して論じるのではなく、一人ひとりの苦しむ子どもと向き合い、 心のもつれをほどくとともにそれをプラスの体験に転化するための発達支援とその条件を考える学問です。 臨床教育学のこの特徴を具体的事例を通してご紹介したいと考えています。


2004/06/01




2004年度 神戸高校主催 高大連携特別講義の日程


以下、「自然科学概論」(高大連携特別講義)終了分です。 

 H16/09/11 第1回 「最新ウイルス学」 (神大・医  堀田 博 先生)90分
 H16/10/30 第2回 「生化学入門」 (阪大・理・生物  金澤 浩 先生) 90分×2コマ
 H16/01/29 第3回 「ナノサイエンスの世界」 (阪大・理・物理  赤井 久純 先生)90分

 講義内容については、「高大連携通信」に詳しく記載されていますので、そちらをご覧ください。


このホームページは、2003/11/04 にスタートしました。